2026年度 理事長所信

(一社)久留米青年会議所
理事長 元石 征吾

CHAIN REACTION

~革新が確信へ~

はじめに

 描いてみよう、10年後の世界。その未来で、私たちの子どもたちは、この地に誇りを持って生活しているでしょうか。想像してみよう、5年後の私たち。その未来で、私たちは地域から真に必要とされるリーダーになれているでしょうか。
 遡ること約70年前、1954年に「明るい豊かな社会の実現」を理想として設立された久留米青年会議所。世界は今、戦争、格差、環境問題などの複雑な課題に直面し、日本国内においても人口減少や地域コミュニティの分断といった構造的課題が深刻化しています。このような時代において、本質的に求められているのは、「誰かがやるだろう」ではなく、「自分がやる」という当事者意識です。
 しかし、課題があるからこそ、私たちの存在意義があります。課題を見つけ、その解決に向けて行動を起こし、未来を変えていく。それこそが青年会議所の本質であり、私たちに課せられた使命なのです。青年会議所の本質は、「まちのために」「ひとのために」「未来のために」本気で考え、行動し、仲間と共に成長することにあります。そして、その志と行動は、地域を変え、確実に次世代へと受け継がれていくものです。だからこそ、私たちは課題を放置せず、行動によって解決を目指す存在でなければなりません。JCとは、リーダーの集団であり、社会、地域課題の深刻化が進む今、継続的に「まちに、ひとに、未来に」想いを寄せ、行動し続ける姿勢こそがJCの価値であり、私たちの責務だと考えます。
 今こそ、真の「革新」と「確信」が求められています。革新とは、既存の枠組みにとらわれることなく新たな価値を創造する力。確信とは、私たちの行動が必ず未来を変えるという強い信念です。私は、「バックキャスティング」という思考法を重視します。理想の未来を描き、そこから現在なすべき行動を逆算する。2029年の創立75周年という大きな節目を見据え、そこに至るプロセスの質を重視した取り組みを展開していきます。
 2026年度は、久留米青年会議所にとって特別な意味を持つ年となり、この年を「守破離」の「守」の年と位置づけ、青年会議所の本質と理念を再確認しながら、未来への確固たる基盤を構築したいと考えています。
 一人ひとりの小さな行動が連鎖反応を起こし、やがて大きな変革につながる。それがCHAIN REACTION—革新が確信へと変わる瞬間です。仲間と共に成長し、行動を重ねることで、久留米の明るい未来を創造していきましょう。

 

ひとを想い、まちを想い、未来を想う
持続可能な組織へ

 多くの会員がまだJCの本質や真の価値に深く触れきれていない現状があります。これまで先輩方が紡いできた歴史は、「想い」と「行動」の積み重ねで築かれてきました。そのバトンを受け継いだ今、私たち現役会員が、これからの会を磨き、未来へつなげていく責任があります。しかし近年、「なぜ入会したのか」「どうなりたいのか」という目的意識が薄れ、与えられた役職、役割をただこなすことが目的化してしまう風潮も見受けられます。このままでは、JCの本質である成長と変革の場としての力が失われてしまいかねません。
 久留米青年会議所の未来は、会員の量と質の向上にかかっています。真の会員拡大とは、私たち自身がJC活動に誇りを持ち、その魅力を体現することから始まります。会員一人ひとりが「この組織に参加して良かった」と心から実感できる環境を構築し、地域の青年が「あの人たちと共に活動したい」と自然に憧れる組織へと進化させる。この好循環により志を同じくする仲間が集まり、会員が増えれば増えるほど、私たちの運動力は加速し、地域への影響力は飛躍的に拡大します。そして持続可能な力強い組織として、久留米の未来を切り拓く原動力となるのです。

 

未来の基盤

 入会間もない会員にとって、青年会議所の組織運営やルールを理解することは決して簡単なことではありません。また、地域の現状や課題についても、まだ身近に感じられず、どのように関わっていけば良いか戸惑いを感じることも自然なことです。
 久留米青年会議所は71年という長い歴史を有し、数多くの先輩たちが築き上げてきた貴重な経験と知恵が蓄積されています。防災活動や地域の祭り、その他通年にわたって展開してきた様々な事業は、すべて久留米の発展を願い継続されてきた貴重な財産です。新入会員にはまず、これらの事業への理解を深め、実際に経験し基礎として捉えてほしいのです。
 新入会員が青年会議所の組織・ルール・理念を深く理解し、地域の魅力と課題を自分事として捉える当事者意識を醸成することが重要です。JCとしての基本的な資質と奉仕の精神を確実に身につけることで、翌年度から即戦力として活躍し、新たな価値を創造する人財へと成長する基盤を構築します。これにより、組織全体のレベル向上と持続的な発展が実現されます。奉仕、修練、友情、この三信条を胸に、仲間と共に歩み、行動を重ねていけば、久留米青年会議所は次の時代にも誇れる、持続可能で力強い組織へと進化していけると、私は確信しています。

 

地域革新への挑戦~市民と共創する久留米の未来~

 久留米市は、豊かな文化芸術的土壌と充実した医療環境、多様な外国人住民によるグローバルな視点という強みを持つ、県内有数のポテンシャルを秘めた都市です。しかし、産業面や人口動態において課題を抱えています。長年継承されてきた文化への市民の関心低下、地域活動への参画減少、そして時代変化に対応した新たなアプローチの不足が、久留米の真の力を眠らせています。
 だからこそ、私たちは文化の継承と革新を通じて新たな価値を創造し、革新の先駆者として久留米の未来を切り拓きます。歴史ある文化に斬新な視点とイノベーションを融合させ、市民と共に関わりながら文化を進化させることで、まちに溢れる活気と元気を取り戻します。この革新的な取り組みにより、市民の地域への愛着と参画意識が劇的に向上し、久留米の認知度は飛躍的に高まります。交流人口の増加、多様な住民の知識を活用した地域産業の活性化、雇用創出と若者の地域定着率向上を実現します。文化を通じた他団体との連携強化により、住みやすい環境を創出し、持続可能な地域発展の基盤を構築します。
 私たちの熱い想いと行動力で、久留米市を九州、そして日本の地域振興のモデルケースへと押し上げることを確信します。

 

次世代への「麦わら帽子」

 少子高齢化が進む中、未来を担う青少年の育成は地域全体の使命です。久留米市の青少年を取り巻く環境において、心身を鍛える活動機会が不足し、デジタル化の進展により地域課題への関心が薄れています。また、若者が社会人になると就職や進学を機に市外へ転出してしまう現実が、地域の未来に暗い影を落としています。
 青少年が様々な体験活動を通じて仲間との絆を深め、困難を乗り越える不屈の精神力と創造性豊かな発想力を身につける環境を創造します。地域の課題を自分事として捉え、企業や行政と連携した実践的な課題解決に挑戦することで、強固なモラル意識と社会責任感を育み上げます。
 私たちの熱い想いと行動により、子どもたちはこのまちを心から愛し、将来にわたって国を、人を、まちを守る真のリーダーへと成長します。多様な活動や地域課題解決への取り組みを通じて身体能力とコミュニケーション能力を飛躍的に向上させ、どんな逆境にも立ち向かう鋼の精神力を培います。これらの体験が地域への深い愛着と誇りを醸成し、久留米市を愛し続け、地域の持続的発展を担う次世代イノベーターを育て上げることを確信します。

 

組織力向上への「誇る地域、誇る組織」

 2026年度は福岡ブロック大会主管という絶好の機会を迎えます。この大会を単なるイベントとして終わらせるのではなく、久留米青年会議所が真の力を発揮する舞台として活用しなければなりません。現在、地域を巻き込んだ運営体制が不十分であり、久留米の魅力も十分に認知されておらず、会員自身もJCの真の価値を深く理解できていないという現実があります。
 私たちは一体、誰のために、何のために福岡ブロック大会を開催するのでしょうか。スポーツの世界は、どの競技の選手も、最初は自分の記録向上や技術向上のために練習を重ねます。しかし、経験を積み成長するにつれて、視野が広がっていきます。チームメイトとの連携を意識し、応援してくれるファンへの感謝を抱き、地域の代表としての責任を感じるようになります。そして真のトップアスリートになると、競技そのものの発展、後進の育成、そして社会への貢献まで考えて競技に臨むのです。
 私たちの福岡ブロック大会も同じではないでしょうか。LOM益から始まり、メンバー益を考え、地域益を視野に入れ、県益まで広げて考え、そして最終的に社会益まで見据えて取り組む。この成長の段階こそが、私たちの意識の進化を表しているのです。真のアスリートが自分の限界を超えて成長するように、私たちも自分たちの視野を広げて挑戦しなければなりません。久留米JCの会員として、福岡県の一員として、そして社会の一翼を担う青年として、どこまで視野を広げてこの大会に臨むのか。その答えによって、大会の価値も、私たちの成長も、地域への影響も大きく変わるはずです。福岡ブロック大会を通じて、会員が福岡県全体の視点から久留米を客観的に見つめ直し、外を知ることで中の価値を再発見する機会を創出します。地域とステークホルダーを積極的に巻き込みながら、久留米の魅力と久留米青年会議所の価値を県内に力強く発信し、より強固で進化した組織基盤を構築します。他LOMとの連携で多様な価値観を学ぶことで、自らの資質と組織運営能力を飛躍的に向上させていきます。
 そして、久留米市民をはじめ多くの方々に、久留米JCの魅力と運動を深く認識していただき、地域との連携強化により久留米の認知度向上、交流人口の増加、地域活性化を実現し、持続可能な発展を支える組織へと進化を遂げるのです。この機会を、久留米青年会議所飛躍の起点とすることを確信しています。

 

組織運営の土台

 組織の持続的発展には、効率的かつ効果的な運営システムが不可欠です。会員一人ひとりが参画しやすく、成長を実感できる環境を構築します。現在の私たちの組織には課題が山積みです。議案作成、会議の内容、議論、せっかくの事業もやりっぱなしで終わってしまうこと、会員の中には何のためにやっているのかよく分からないと感じている方もいるでしょう。しかし、これらの課題こそが、私たちがさらなる高みへと進化するための貴重な機会でもあるのです。私たちは組織の根幹を支える運営システムを抜本的に改革し、真に価値ある時間と経験を会員に提供する決意を固めています。スマートな会議運営と作業環境の実現により、限られた時間を最大限に活用し、質の高い議論から生まれる成果を創出します。
 何より大切にしたいのは、一人ひとりの行動に意味と納得を与えることです。なぜこの事業をやるのか、どこを目指しているのか、結果として何が残ったのかを明確にし、会員全員が納得のうえで参加し、自ら振り返り、次につなげる文化を醸成します。
 そのために、数値化をはじめ、会員や参加者からの声、学びの抽出や経過を可視化し、委員会単位ではなく、全体でのナレッジ共有により、単年度で終わらない未来への創造の仕組みをつくります。去年もやったから今年もやるではなく、去年の経験を活かして、今年はもっと良いものにするという文化を根付かせていきます。
 目指すのは、久留米青年会議所が実行して終わりではなく、行動の意味を組織全体で実感、共有し次代へと活かせる団体へと進化することです。一人ひとりが「自分が変えたのだ」「自分がこの組織を良くした」と胸を張って言えるようになり、行動が組織の誇りと文化として根付いていくことを確信します。

 

おわりに

 久留米青年会議所の価値は、会員一人ひとりの成長とその成長が地域に与える好影響にあります。私たちは決して完璧な存在ではありません。しかし、だからこそ学び続け、挑戦し続け、成長し続けることができるのです。2026年度は、久留米青年会議所の新たな歴史の始まりとなる年です。全ての事業において明確な目標設定と効果測定を行い、その結果を活かすシステムを確立します。行政、市民、他団体との連携を深化させ、我々だからこそできる役割を明確化し、地域に真に必要とされる存在を目指します。単年度制の枠を超えた知識と経験の継承と更に文化を確立し、会員一人ひとりが成長し続ける環境を構築します。
 課題を恐れず、課題をチャンスと捉え、仲間と共に行動を起こしていきましょう。一人ひとりが当事者意識を持ち、地域の未来に責任を持って向き合うとき、私たちは真のリーダーとなり、久留米の明るい未来を創造することができるのです。2026年という一年は、私たちが75周年という節目を前に、未来を描くための「覚悟と責任」を共有し、組織の土台をしっかりと築き直し、会員一人ひとりが「まちに」「ひとに」「未来に」想いを寄せ、心を重ねる。そんな一年にしたいと考えています。
 私たちのリーダーシップと前向きな行動が、必ず未来を変える力となります。一人の小さな行動が波紋となって広がり、やがて大きなうねりとなって地域全体を変革する。そのCHAIN REACTIONこそが、革新を確信へと変え、久留米の未来を築く原動力なのです。私たち自身の手で久留米の未来を創造し、共に久留米青年会議所の次の時代を築いていきましょう。

CHAIN REACTION ~革新が確信へ~

 

 
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